介護予防とは、高齢者が要介護状態となることへの予防、要介護状態の場合はその軽減・悪化防止を目的に行うものです。介護予防活動を行うにあたっては、次の3つの要素にバランスよくアプローチすることが重要とされています。
①心身機能 体の働きや精神の働き
②活動 日常生活動作(ADL)、家事、職業能力や屋外歩行といった生活行為全般
③参加 家庭や社会生活で役割を果たすこと私たち鍼灸マッサージ師は、長い歴史の中で培われてきた養生法のスペシャリストであり、また地域根差した外来施術、訪問施術を行ってまいりました。鍼灸マッサージ師は、まさに介護予防に適任なのです。
神奈川県鍼灸マッサージ師会学術部介護予防研究委員会では、介護予防の必要性が叫ばれて以降、10年間にわたり厚生労働省がまとめた「介護予防マニュアル」の内容に準拠した講習会を年3~4回実施してまいりました。お陰様をもちまして、神奈川県内の各所におきまして、市町村からの委託事業である介護予防教室、転倒予防教室を任されるようになりました。また、社会福祉協議会、自治会、老人クラブ等からも、介護予防教室の依頼をいただいております。さらには、各自の治療院スペースを利用した教室も行われています。
日本は、2007年(平成19年)に超高齢化社会となりました。今後、高齢者が元気に日常生活を送ることが、国全体の医療、社会福祉を考える上で、非常に重要となっています。私ども神奈川県鍼灸マッサージ師会は、日本の元気を下支えするため、これからも介護予防事業に力を入れてまいります。介護予防研究委員会
林 秀卓